コロナウイルスの影響もあり心配されましたが、今年もJリーグが開幕しました。今シーズンのジェフは9年前に鳥栖をJ1に導いたユンジョンファンが監督に就任しました。ジェフサポはもちろん、他チームのサポーターからも今年は行けるんじゃないかという声が上がる一方、自分はTwitter上やら色んなとこで言いましたが我慢の時期がまず来るでしょうというスタンスです。今回の開幕戦はそのような我慢が続く苦しい試合展開となりました。ただ、去年のことを考えればまともに戦えているだけマシな気がしますが…。とにかく、試合をふりかえってみまっしょい。

スタメン

ご覧のスタメン。ジェフは今年補強少ないじゃん…と思ってましたが、なにかと4名の新加入選手がスタメンとなりました。米倉のSHを見たのは久々ですね。

一方の琉球はヨンジやタバレスなど新加入がズラリ。上里と風間のボランチは不動ですね。

前半スタート〜互いの戦略〜

ジェフは去年とはうって変わって、ボールを握ることにあまり固執していないように感じました。ボールを持つと早めにサイドに持っていき浅い位置からでもクロスを上げさせていました。これはユンさんなりのオープンな展開にさせないためのリスク管理なのかもしれません。ボールを持っていないときは、先制点が早いうちに取れたからというのもあるのかもしれませんが、前からハメに行くというよりは、3ラインがコンパクトにしてブロックを優先して作るようになっていました。逆にボールを奪ったら早く展開していくという戦略です。

一方の琉球はボールを握りたいチーム。そのため、ビルドアップも最終ラインからショートパスを使ってやってきますし、ボールを持っていない時は積極的にプレスをかけにきます。

対照的な戦略のチームによる対戦となりました。

〜ブロックは作れどハマらない守備 1stDF問題〜

試合はいきなり動きます。開始早々1分。堀米のクロスから米倉が頭であわせてゴール。幸先よくジェフが先制点をあげます。

その後はジェフが自陣に篭り気味になったため、琉球がボールを握る展開となっていきます。琉球の最後方のビルドアップは主に2CB+2DM(上里と風間)の4人で行っていきます。そして、SBは高い位置をとり、SHの河合や茂木はハーフスペースのところにポジショニングしていました。

ジェフは442のままで、ブロックを作ることを優先としているため、この琉球の4枚のビルドアップに対してはあまり干渉しませんでした。

しかし、それは結果的にボールの出し手の上里と風間をフリーにしてしまうことになりました。上里と風間は出し手の選手としてはピカイチな選手。その二人をフリーにさせてしまうことで、自由にボールを扱わせてしまい、ハーフスペースに潜ってくる河合や茂木、田口と熊谷の間に顔を出してくる池田や阿部のところにすんなりと縦パスを通されることで、守備の混乱を招きやすくなっていました。

この画像を例に出すと、米倉は沼田を警戒すべきなのか、河合を警戒すべきなのかという二択を迫られています。もし河合にボールを通されれば、ゴール前で4vs4の数的同数という危険な状態が完成してしまいます。

実際に、この試合では上里と風間の縦パスが河合や池田、茂木などにかなり簡単に通ってしまうシーンが多くありました。ただ、コンパクトにブロックを作っているぶん、狭くさせたスペースの中でなんとか瀬戸際で防げたことがほとんどで、ゴールを奪われることはありませんでしたが、出し手のところをしっかりと規制をかけられるように1stDFの守備もしっかりと仕込む必要がありそうです。

川又もクレーベも帰陣はしっかりできていましたが、やはり2人にはその1stDFとしての役割も果たしてほしいなと思います。この試合のジェフはボールを奪う位置がどれも低く、カウンターにも行けない時間が多かったですから、奪う位置を高くするためにもFWの2人にももう少し具体的な守備をやらせてほしいなと思いました。

〜ハマらない守備 二択の作り方が上手い琉球〜

この試合、ジェフは主に右サイドから崩されるシーンが多く目立ちました。理由は琉球の左サイドの攻撃は2パターンあったためです。

一つは先ほど書いたように、SBの沼田が高い位置をとり、SHの河合がハーフスペースに移動することで、ジェフの右サイドの米倉に二択を押しつける展開です。

もう一つは、沼田が少し低い位置でボールを受けた時に河合がサイドに開いてきて、トップ下の池田がハーフスペースに移動してくることによって、ゲリアのところで二択を迫る展開です。

7分40秒ごろの河合のシュートを新井章太がセーブしたシーンなんかも、ゲリアの意識が中に集中したところを大外に構えていた河合に裏を取られてからのシュートシーンでした。

ジェフの右サイドが崩れやすかったのは、琉球が左サイドで攻撃のパターンを二つ持っていたためです。しかも、しっかり二択を迫りながら殴ってくるので、ゲリアと米倉の身体能力だけではどうしようもないシーンが出てきてしまいます。なので、やはり出し手のところから規制をかけていくのがセオリーですね…。

そんな琉球にボール握られっぱなしのジェフでしたが、なんとか失点は0に抑えて前半は終了。1-0で折り返します。

後半戦

後半からのメンバーの交代はなく、前半と同じメンバーでスタートしました。後半も前半と同じように琉球がボールを持ち、ジェフが耐える時間が続きました。

琉球は57分に池田に変えて長身の上原を投入。その上原が入ってからはアーリークロスなどの展開も増えてきた琉球。それに対してユンジョンファンは5バックで守るように指示。541に変更して後半中盤から逃げ切りを図ります。

琉球はその後も風間宏輝や小野伸二を投入し、ボールを握り続け得点を狙いにいきますが、541のジェフの守備の前にゴールは奪えず。

結局、試合は開始早々の米倉のゴールを守り切ったジェフが勝利。

開幕戦を白星で飾りました。

最後に

ジェフの守備は昨年と比べると、やはりかなり強度は上がっていました。単騎でプレスに行ってかわされるというシーンも無いですし、44のブロックのコンパクトさとボールの位置にあわせたスライドもしっかりできていました。守備に関しては、ベースはかなり出来上がってきていると思います。あとは、1stDFのところであったり、セオリーで捨てている大外の部分はどう対処するのかというところでしょうか。たまに、ゲリアあたりがボールウォッチャーになってたりしたので。

攻撃についてはしばらくは選手のアイデア次第にはなってくると思います。まあ、クレーベと川又並べておけばクロス1000本ノックでも勝てそうな気がしますが…笑。ユンさんのもとではいかに早く攻めてゴールに繋げられるかが鍵になってくるはずで、去年とは全く違うサッカーになるはずなので更なる仕上がりが楽しみです。

今回は以上です。

ほいじゃまた!