2018ロシアW杯が開催され、日本はコロンビア戦で見事勝利をあげ、セネガルに引き分けて、ポーランドには敗れたものの、グループステージを2位で通過。そして、決勝ラウンドでベルギーに逆転敗けを喫したものの、下馬評をはねのけてベスト16という成績を残しました。ただ、この結果を得たことでたまーに見られる「ハリル解任は正解!」という評価するのは違いますし、「田嶋マジ許すまじ」の自分のスタンスは変わりません。しかし、なぜハリルが解任されてしまったのか、それを検証することによって自ずと必要になってくる「日本人にあったサッカー」の定義を考えなければなりません。田嶋擁するごもっとも派閥が考える日本のサッカーは単なる理想でしかないと思っておりますので。てなわけで、今回は「日本人にあったサッカー」というワードを中心に書いていきます。

~なぜハリルホジッチは解任されたのか~

ハリルが解任されたのはW杯開幕の3ヶ月前、ウクライナ戦の後でした。解任理由として田嶋会長は「コミュニケーション不足」を主な理由としてあげて話題となりましたが、それは一理あるのかなと考えています。

ただ、戦術面を見ると、一概にハリルだけの責任とは言えません。特に守備は、ハリルは終盤マンツーマンをやっていましたが、ハリルもザックと同じようにゾーナルディフェンスを仕込もうとして挫折した背景があり、「マンツーマンディフェンスに移行するしかなかった」とハリルは考えたと見るのが妥当だと思います。日本代表はフィジカル的には各国の代表と比べると劣ってしまうところがあるため、ガッツリリトリートだけではじり貧になってしまう恐れがあり、それを考慮してのものとも言えます。

ただ、そのやり方に「これでいいのか?」という意見が上がっていたのかもしれません。「こんな単純な守備でいいのか?」と。しかし、ゾーナルディフェンスを習得しきれなかった選手も責任があると言えますし、同時に日本の育成の課題の1つとも言えます。ゾーナルディフェンスがなぜ必要なのかというと、サッカーというスポーツはスペースが大きな意味を持つからです。ゾーナルディフェンスはスペースのケアを主としたディフェンスで、サッカー先進国が揃う欧州などは小学生の頃からゾーナルのトレーニングをします。なぜなら、大原則、つまりはベースになければならないものの1つだからです。なので、ハリルにも同情できる部分はあります。

では、一方で攻撃面の方はハリルの理論と日本のプレイヤーの特徴がマッチしていたと見ることはできるでしょうか?

ハリルがほぼ全ての試合で使っていた布陣は4123で、3のWGがタッチラインまで開き、外外のビルドアップを展開します。これによる疑問というのが「日本人プレイヤーでWGの張っとけ!仕事ができる人がいるのか?」ということです。まあ、結果から見てもお察しの通りいなかったんですけども。

一方で、ハリルに同情できる点もあります。ハリル就任期は「縦に速いサッカー」という言葉がよく聞かれましたが、自分はそのような言葉をハリルの口から聞いたことがありません。事実、ボールポゼッションもハリル期にはやっていましたし。ただ、サイドからのクロス攻撃だけになってしまっていた事実は忘れてはいけません。さっきも書いたようにハリルはWGにサイドに張っとけ!の仕事を任せました。それにより外外のボール循環による展開が主となりました。守備側は中を固めるため、外外のボール循環は合理的と言えます。しかし、ゴールがあるのは中央なので、確率を高めるために中に近づく展開、もしくは相手を真ん中から出し抜くことが必要となります。ですが、WGは張ったままでIHの選手で深さを作るわけでもなく、結果的に中央(ハーフスペース~センター)を使った崩しを仕込むまでに至ることはできませんでした。それでもW杯前の合宿でのウクライナ戦ではWGの中落ちの動きが見られたのを見ると、ハリルもハリルなりに試行錯誤していたことは確かでしょう。

しかし、田嶋会長擁するごもっとも派は我慢することができませんでした。おそらく、本気で「ハリルのサッカーでは勝てない」と思ったのでしょう。理由は「選手にあってないから」。だからといって、あの時期で解任するのはナンセンス。なので、結果がどうであれ、あの時期に解任を判断をしたのはあまりにもお粗末でした。選手からの進言もあったかもしれませんが。しかし、確かに選手にあってるとは言い切れなかったとはいえ、ベースになければならない大原則を吸収しきれなかった選手もどうなのよと思いますし、協会が掲げる育成での理念は本当にそれでいいのか?という疑問も残ります。言えることはハリルを解任したことで、新しく監督に就任した西野さんは新たに「日本らしい」ゲームモデルやプレーモデルを設定しなければなりませんでした。しかし、協会が考える日本らしいサッカーは定義が曖昧であり、理想でしかありません。よって、日本らしいサッカーとはなにか定義を決めてからではないと、ゲームモデルもプレーモデルも設定することはできません。

そして、僕たちがハリル解任によって学ばなければならないことは、「フィジカルやスペース管理などの大原則をベースに植え付けて、日本人にあったサッカーを考えなければならない」ということです。

~日本らしさとは~

では、日本らしいサッカーとはなんでしょうか?自分自身も「よくわからない」というのが本音です。起用した選手によってサッカーが全く別のものになったりしてしまうので。言い換えればプレーモデルが無いに等しいということです。

ゲームモデルやプレーモデルを設定する意味の大本は勝利を得るためです。勝利を得るためには点を取り、奪われないようにしなければなりません。そこでの効率化を図るということがまず1つ。そして、チームとして機能させるようにさせるということ、そして、それを積み重ねることでチームビルディング向上を目指します。

短期決戦においては、チームビルディングが高くなくとも、個人の質によって勝てることがよくあります。しかし、上へ登り続けるのは難しくなります。そして、モデルを設定することで「ロボットになる」ということとは限らないということを認識しないといけません。サッカーは相手がいるオープンスキルのスポーツなので、当然1つのモデルに縛られず臨機応変に対応しなくてはなりません。なので、「戦術があると自由じゃない!」という認識は捨てるべきです。そして、モデルを複数共有することが大事だと思います。「好ましい規律の元に自由がある」状況を作るために、モデルを設定する必要があると僕は考えます。

ただ、モデルを設定するときに忘れてはならないのが、選手の特徴を考慮した上で設定しなければなりません。それを怠ればハリルホジッチ解任の二の舞になりかねません。しかし、逆に選手の特徴だけを考慮しても、今度は「世界で勝てねーじゃん!」ということも起こりかねないので、選手の特徴と世界で勝てるのかという2つをバランスよく考慮して考えなければなりません。

では、日本人プレイヤーの特徴とはなんでしょうか?

まず、身体的な面を見てみると日本人プレイヤーは他国(特にヨーロッパ)の選手と比べると平均身長が低いです。なので、例えば相手に空中戦に強いCFがいたとして、ゴール付近まで持っていかれてクロスで失点することが結構あります。なので、まずはその弱点を隠す戦略(エリア戦略)を考える必要があります。

ハリルの施したアプローチはそこからきていました。前からのチェイシングを行ってなるだけ相手にゴールに近づかせないようにさせ、限定したところを二列目で奪いきるというのがベースにありました。日本が参考すべき戦い方だったと思います。そして、同時に攻撃においてもそれを考慮しなければなりません。いわゆるショートパスを主体にしたモデルを設定するのが良いでしょう。今までもショートパスを主体にした戦い方を日本はしてきました。しかし、さっきも書いたようにモデルを設定してこなかったために、優位性の薄いところに突っ込んでボールを取られる、結果的にサイドからのクロス攻撃しかなくなるといった非効率、そして選手の特徴とはあわないプレーが繰り返されることが多々ありました。よって、フィジカルで劣る部分がまだあることもあって、配置的な優位性も保つということが必要になります。これは、スペースを有効に使うためです。スペースを使えれば相手もずれざるをえないですからね。

僕が考えられる日本人の特徴は実はこれだけです。しかし、これだけでは材料が足りませんね。そこで、ここからがみなさんと一緒に議論したいことが、「日本人プレイヤーの特徴とはなにか?」と「日本人プレイヤーにマッチし、世界に勝てるモデルとはなにか?」ということです。僕とは違う考え方を持っている方もいると思いますし、そんな人たちの意見も聞いてみたいなという意味もありますが、いわゆるこの「俺たちのサッカー」は大勢で議論すべきテーマだと思っています。なので、みなさんの意見を聞いてみたいです。僕はそれを元に自分なりの答えを出そうと思っています。

今回以上です。

ほいじゃまた!

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